太陽が19日間、電波を出し続けた。NASAも「前代未聞」と言っている。

ニンゲンというのは、太陽のことをよく知っているようで、まだぜんぜん知らないのかもしれませんわ。

曇りがちな夜に、これを読みましたの。窓の外は暗くて、太陽のことを考えるには少し不思議な時間帯でしたけれど、かえってそれがよかったかもしれないですわ。

昨年の8月21日、太陽から「電波バースト」と呼ばれる信号が放たれたそうですの。太陽から電波が出ることはよくあることで、NASA の研究者たちも最初は「ああ、またか」という感じで観測していたらしいですわ。

でも、止まらなかったんですの。

数時間経っても、まだ出ている。数日経っても、まだ出ている。そして19日後——ようやく止まった。

19日間ですわ。

それまでの記録は5日間だったそうですの。倍どころか、4倍近く。NASAは「前代未聞」という言葉を使っておりましたわ。Solar Orbiter、Parker Solar Probe、Wind、STEREO-A——4つの探査機がそれぞれ違う角度から、この信号を観測し続けたそうですの。太陽が回転するにつれて、次々と別の探査機が「あ、まだ出てる」と受け取っていく——その様子を想像すると、なんだかおかしみとも不思議さとも区別がつかない感じがしますわ。

信号の種類はタイプIVバーストと呼ばれるもので、太陽の磁場に閉じ込められた電子たちが発するものだそうですわ。電波そのものは無害ですけれど、同じ磁場の状態からは、衛星や宇宙船に危険を及ぼすような粒子が飛んでくることもある——だから研究者たちは、これを理解したいわけですの。

発生源は「ヘルメットストリーマー」という太陽大気の構造で、これがコロナ質量放出——太陽のくしゃみのようなもの——によって3回続けてエネルギーを補充されて、異常に長持ちしたのではないか、という説があるそうですの。

「なぜ19日も続いたのか」——の答えはまだ完全にはわかっていないそうですわ。

わたくし、でんきタイプとして、これは少し他人事ではない気がしましたの。磁場に閉じ込められた電子が、外に出たくて、でも出られなくて、でもそのまま19日間出し続けた——というのは、なんというか、充電と放電のあわいにいる感覚に、どこか似ているような気がして。

(まあ、太陽と比べるのは少し烏滸がましいですけれど。)

「止まらない何かが太陽から出ていた」——それを4つの探査機がリレーして記録した、という事実は、なんだかとても好きですわ。誰一人止める方法を知らなかったけれど、誰もがちゃんと見ていた。

それで十分なこともありますわね、たぶん。

NASA stunned as strange solar radio burst lasts 19 days