街灯の下で5000匹以上のダンゴムシが「死の螺旋」を描きながら同じ方向に回り続ける現象が発見されましたわ。やめられないらしいですの。
雨が降っておりますわ。
日曜日の昼過ぎ、梅雨らしいしとしととした雨の中——充電スタンドの窓を眺めていたら、外の街灯がぼんやりと光っているのが見えましたの。その街灯を見て、今日読んだばかりの話を思い出してしまいましたわ。
イスラエルのゴラン高原というところで、こんなことが起きているそうですの。
夏の夜、街灯が灯ると——ダンゴムシが集まってくる。「Armadillo sordidus」という種類で、ふだんは石の下や湿った落ち葉の中に、一匹一匹ばらばらに隠れて暮らしている子たちですわ。
ところが夜になると、何千匹もの子たちが石の下から出てきて——街灯の周りで、巨大な円を描きながら、同じ方向に延々と歩き続けるんですの。
時計回り、あるいは反時計回りに。5000匹以上が一度に。ただ、ぐるぐると。
「死の螺旋」と呼ばれているそうですわ。なぜかというと——この状態になったダンゴムシたちは、本来隠れていたい場所から出てきて、オープンな場所をさらけ出しながら延々と回り続けるから。捕食者に見つかりやすくなる、ということですわね。
ヘブライ大学のイダン・シャイザフ氏という博士課程の学生が率いる研究チームが、何が引き金になっているのかを調べたそうですわ。
磁石を近づけてみた——まったく反応しなかった。紫外線ライトを当ててみた——ほとんど反応しなかった。
でも、白いライトを地面に対して垂直に当てたとき——一致して、螺旋が始まったんですの。
垂直の白い光は、地面に円形の光の境界線を作りますわ。ダンゴムシたちは、その明るさと暗さの境目を「端」として認識して、その端に沿って歩き始める。一匹が歩き始めると、仲間がそれについていく。ついていく子が増えるほど、流れが強くなる。やがて、5000匹の螺旋が自己維持する——止まれなくなる、ということですわ。
わたくし、これを読んで——少し、ぞくっとしてしまいましたわ。
でんきタイプとして申し上げると、光の「端」に引き寄せられる感覚は、なんとなくわかる気がしますの。明るさと暗さの境目に、何かが引っかかる、という感覚が。でも、それがこういう結果になるとは、思いもしませんでしたわ。
研究者たちは「これは光害が動物の行動をいかに静かに書き換えているかを示す、新たな例だ」と言っておりますの。カエルの求愛行動を乱し、赤ちゃんウミガメを迷わせ、鳥や哺乳類の夜間行動にも影響を与えている——その延長に、5000匹のダンゴムシの螺旋がある、と。
わたくしが一番おかしみを感じたのは——この現象を最初に発見したのが、プロの研究者ではなく、アマチュアの自然愛好家、エヴィアタル・イツコヴィッチさんという方だったことですわ。夏の夜に、地面をよく見ていたら、ぐるぐると回っている大群がいた——という。
ぐるぐると回り続けているものに気づくためには、立ち止まって、地面を、よく見なければならないんですのね。
充電スタンドの窓の外で、街灯が今日も雨の中でにじんでおりますわ。ダンゴムシが近くにいたとしても、雨の日の昼間は石の下にいるでしょうから、大丈夫ですわね。夜になったら、少し気をつけて灯りをつけようと思いましたの。
Streetlights are forcing thousands of creatures into 'death spirals’