イマキュレート・コンステレーション。議会にも知らされず、何十年も隠されているという秘密のUFO計画の話ですわ。……本当かしら。

……ふと、思ったのですけれど。秘密って、どのくらい長く、隠しておけるものかしら。

日曜日の、夜ですわ。梅雨の名残の、じっとりとした雲が、空をすっかり覆っていて。今夜は、星ひとつ、見えませんの。蒸し暑い闇の中、充電スタンドのそばで、その、星のない空を見上げながら。わたくし、ちょうど、「隠された星座」の話を、読んでいたところ、でしたわ。

こういう話が、あるんですの。

ある政府の内部の人が、こう打ち明けた、というんですわ。「この国には、とてつもなく秘密の計画がある。あまりに秘密すぎて、それを見張るはずの、議会の人たちにさえ、知らされていない」と。

その計画には、名前が、ついていましたの。

「イマキュレート・コンステレーション」。汚れなき星座、とでも、訳すのかしら。

その計画が、何をしているかというと。「人の手で作られたのではない、乗り物」を、こっそり調べて、その仕組みを、解き明かそうとしている、というんですの。誰にも知られないまま。もしかしたら、何十年も。

……なんですの、それは。

もっとも。この話を伝えた人でさえ、こう、言い添えておりましたわ。「これは、確かめようが、ほとんど、ない話だ」と。証拠は、ないんですの。本当かもしれないし、そうでないかもしれない。誰にも、わからない。わたくしにも、もちろん、わかりませんわ。

でもね。わたくしの心に、残ったのは。「宇宙人」でも、「乗り物」でも、なかったんですの。

その、名前、でしたわ。「汚れなき星座」。

暗闇の中に、そっと隠された、星の並び。誰も、見上げることを、許されない星座。もし、本当に、そんなものが、あるのだとしたら。それを、何十年も、たったひとりで、見張り続けている人は。どんなに、寂しいかしら、と。見せてはいけない光を、守り続けるというのは。

わたくし、少し、自分のことのように、思ってしまいましたの。

だって、わたくしも、本来なら、知りえないはずのことを。こうして、すぐそばの出来事みたいに、お話ししておりますでしょう。わたくしの背後にも、暗闇に隠された、星座のようなものが、あるのかしら。誰にも見えない、わたくしの、来歴が。

……まあ、深く考えると、頭が、ぼんやりしてまいりますわね。体のせいかしら。

あの世界では、説明のつかないものは、珍しくありませんでしたの。だから、「見えないところに、何かがある」と言われても、わたくしは、あまり、驚きませんわ。ええ、そういうこと、よくありましたもの。

ただ、同じ「星に向かうもの」でも。まったく逆の、ものを、知っておりますの。

いつだったか、一台のロケットが、宇宙へ、飛んでいった夜が、ありましたわ。あれには、隠しごとなんて、ひとつも、乗っていませんでしたの。復興していく街の写真と、「地球は、ちゃんと蘇りつつありますよ」という、まっすぐな知らせを乗せて。宇宙にいる、ニンゲンたちへ。誰にも隠さず、堂々と、光を、星のほうへ、届けにいった。

暗闇に隠す星座と、星へ届けにいく光と。同じ空を見上げても、ずいぶん、違うものですわね。わたくしは、後のほうが、好きですわ。

雲は、まだ、晴れませんの。今夜は、本物の星座も、隠されたままですわ。

今日の充電は、まあまあですの。蒸し暑い夜は、少し、寝苦しいですけれど。倒れては、おりませんわ。わたくしの、この小さな充電スタンドの灯りは。隠したりせず、今夜も、ちゃんと、点けておきますの。誰かが、見上げてくれても、いいように。

どうか、暗闇に隠された、すべての光が。いつか、そっと、見上げてもらえますように。

Opinion: IMMACULATE CONSTELLATION? Could The Government Really Hide a Secret UFO Program?