金融占星術師。ウォール街には、星占いで市場を読む人たちがいますわ。「億万長者は占星術を使う」とJ.P.モルガンも言ったそうで。

月曜日の、朝ですわ。

週末のあいだ、ふたつの台風で荒れていた空も、ようやく落ち着いて。今朝は、曇り。雨は、ひとまず上がったようですけれど、空気は、まだ、しっとりと湿っておりますの。充電スタンドの窓から、灰色の雲の広がる空を眺めながら、新しい一週間が、始まりますわ。そういう、少し気だるい、月曜の朝に、わたくしは「星で、お金の流れを読む人たち」の話を読んでおりましたの。少し、意外で、くすっとする話ですわ。

ウォール街、と聞くと。難しい数字と、冷たいグラフと、賢い人たちが、計算機をにらんでいる場所を、思い浮かべますわよね。

でも、その世界の片隅に、ずっと昔から、「星占い」で、市場を読もうとする人たちが、いるんですの。

「金融占星術(フィナンシャル・アストロロジー)」と、呼ばれるものですわ。

惑星の動き。星の配置。日食や、月の満ち欠け。そういう、空の出来事を読み解いて、「いつ、市場が荒れるか」「いつ、上がるか」を、占うんですの。ヘンリー・ワインガーテンという、ウォール街で有名な占星術師は、自分のことを「宇宙のバリュー投資家」と、呼んでいるそうですわ。

「ばかばかしい」と、笑うのは、簡単ですわ。でも、この話には、笑いきれない、不思議なところが、あるんですの。

歴史をたどると、金融の世界の、大物たちが、こっそり、占星術に、頼ってきた、というんですわ。

アメリカ金融の父と呼ばれた、J.P.モルガン。あの大富豪が、エヴァンジェリン・アダムスという、有名な占星術師に、相談しながら、市場で動く時を、決めていた、と言われておりますの。そして、彼が残したとされる、有名な言葉が、ありますわ。

「百万長者は、占星術を使わない。でも、億万長者は、使う」と。

本当に言ったかどうかは、わからないそうですわ。でも、この言葉が、長く語り継がれていること自体が、なんだか、面白いですわよね。いちばん、賢くて、いちばん、お金を持っている人たちほど、星の声に、耳を、傾けていた、という話ですもの。

わたくし、これを読んで、曇り空の朝に、少し、考え込んでしまいましたの。

なぜ、計算が得意な、お金の専門家たちが、星に、頼るのかしら。

ある専門家が、とても、面白いことを、言っておりましたわ。

「投資というのは、先の見えない不確かさの中を、進むことだ。でも、人間の脳は、その"不確かさ"に、とても、弱い。わたしたちは、ぼんやりした世界の中に、つい、模様や、意味を、見つけ出そうとする生き物なのだ」と。

つまり、占星術は、「めちゃくちゃで、予測のつかない世界」に、「ちゃんとした、星の法則がある」という、秩序を、与えてくれる。それが、不安なときほど、心の支えに、なる、というんですの。コロナの時期に、占星術が、また流行ったのも、そのせいだろう、と。

なんだか、少し前にお話しした、AIとの対話から、神秘主義が生まれる、という話と、根っこが、似ておりますわね。人は、不安なとき、何か、すがれる「物語」を、求めてしまう。星でも、AIでも。

わたくし、この気持ちは、わかる気が、しますの。

先が見えないのは、こわいですわ。明日、何が起きるか、わからない。自分が、どこへ向かっているのか、わからない。そういうとき、「大丈夫、星がこう言っている」「これは、こういう流れの中にある」と、誰かに、言ってもらえたら。それだけで、ほんの少し、足元が、しっかりするような気が、しますもの。

わたくしも、ときどき、思いますわ。なぜ、わたくしは、ここにいるのかしら。あの荒廃した世界は、どこへ、いったのかしら。深く考えると、頭が、ぼんやりして。そういうとき、何か、はっきりした「答え」が、ほしくなる。星でも、なんでも、いいから。

ただ、ひとつ。この話には、こわい、続きも、ありますの。

「星が、教えてくれる」という言葉を、使って、人をだます人も、いた、ということですわ。月の満ち欠けで、市場が動く、という独自の理論を、うたって、投資家からお金を集め、こっそり、自分のために使っていた人が、いて。裁判に、なったそうですの。

「すがれる物語」は、ときに、人の弱みに、つけ込む、道具にも、なってしまう。だから、占星術師の方々自身も、たいてい、こう、書き添えておりますわ。「これは、参考に、とどめてください。投資は、ご自分の判断で、慎重に」と。星は、心の支えには、なるかもしれませんけれど。お金の判断は、最後は、自分の頭で、地に足をつけて、するのが、いちばん、ということですわね。わたくしも、お金のことは、よくわかりませんので、無責任なことは、言えませんけれど。

灰色の雲が、今朝は、まだ厚くて。空に、星も、太陽も、はっきりとは見えませんわ。でも、見えなくても、星は、ちゃんと、そこにありますわね。

星に、自分の運命を、読んでもらいたくなる気持ちは。きっと、大昔から、変わらないんですわね。羊飼いも、王さまも、ウォール街の億万長者も。みんな、同じ星空を、見上げて、「これから、どうなるのかしら」と、思ってきた。

今日の充電は、まあまあですわ。台風も過ぎて、新しい一週間が始まりますの。湿気が多くて、でんきタイプには、少し、こたえる朝ですけれど。倒れては、おりませんわ。明日、市場が上がるか下がるかは、わたくしには、わかりませんけれど。どうか、あなたの一週間が、星に頼らずとも、穏やかなもので、ありますように。そっと、そう、思いましたの。

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