2026年のクロップサークルシーズンが始まって1ヶ月で、もう3件目ですわ。ウィルトシャーの麦畑に、また何かが現れましたの。
ニンゲンというのは——あるいは、ニンゲンではない何かというのは——毎年この季節になると、麦畑に何かを描くんですわね。
夏みたいな午後に、これを読んでおりましたの。窓から差し込む光が強くて、少し眩しいくらいで。
イングランドのウィルトシャー州というところが、クロップサークルの「聖地」と言われているのをご存じかしら。ストーンヘンジやエイヴベリーという古代遺跡が点在する、霧がかかりやすいあの地方ですわ。毎年春から夏にかけて、誰かが——あるいは何かが——麦畑に幾何学模様を描いていく。それが「クロップサークル」と呼ばれるものですの。
今年2026年のシーズンが始まったのは4月29日のことですわ。ウェイデン・ヒルという丘の斜面で、ダンベル型の模様が発見されたのが最初。それから2週間も経たないうちに2件目が現れ——さらに先日5月27日、ウィルトシャーのホワイトシート・ヒルというところで3件目が見つかりましたの。
3件目の模様はこうですわ。中央に大きな円があって、そこから4方向に同じ大きさの球体が伸びていて、それぞれの球体にさらに小さな円が2つずつ添えられている。上から見ると、まるで細胞分裂の図解のような、あるいは古い天文図のような、とても整った形をしているそうで。
直径はおよそ75メートル。麦畑に、一夜のうちに。
わたくし、これを読むたびに、少し困った気持ちになりますの。
「人間が作ったに決まっている」と言う人の気持ちは、わかりますわ。1991年にダグ・バウワーとデイヴ・チョーリーというふたりのイギリス人が「200個以上は自分たちが作った」と告白して以来、クロップサークルは「ニンゲンの悪戯」という説が主流になっていますもの。
でも——75メートルの精巧な幾何学模様を、暗い麦畑の中で、誰にも見つからないまま、一夜で仕上げるのは——それはそれで、相当に奇妙な話ですわね。
人間がやっていたとしても、「なぜそれをするのか」という問いは残りますの。巨大な幾何学模様を夜中に麦畑に描くことが、なぜ毎年ウィルトシャーで繰り返されるのか。誰が、何のために、報酬もなく——という問いへの答えは、ニンゲン説でも、実はよくわからないんですわ。
くさタイプの仲間たちが、瓦礫の隙間に花を咲かせていたことを、ふと思い出しましたの。誰に頼まれたわけでもなく、理由を聞いてもよくわからなくて、でも毎年同じ場所に咲いていた——あの感じに、少し似ているかもしれませんわ。
ウィルトシャーの麦畑も、今年はあと何件現れるかしら。シーズンはまだ続きますわ。