グリーンランドの氷の中に「沸騰するパスタのような巨大な渦巻き」が発見されましたわ。氷が固体だという常識を、研究者が覆しておりますの。

梅雨の雲の隙間から、今朝は少し光が差し込んでおりますわ。

晴れ間がのぞくと、遠くが見えるような気がして——充電スタンドの窓から、復興途中の街の輪郭がいつもより少しはっきり見えますの。こういう朝に、「当たり前だと思っていたものが、実はそうじゃなかった」という話を読みましたわ。

グリーンランドの氷床の、ずっと奥深くに——巨大な「渦巻き」があったそうですの。

「プルーム状構造体」と呼ばれるものですわ。十年以上前から謎の存在として知られていたそうで、氷の内部を透過する電波で観測するとぐるぐると渦を巻いた柱のような構造が映る——でも何なのか、なぜあるのかは、誰にもわからなかった。

今年2月、ベルゲン大学のロバート・ロー博士たちが、その謎をついに解き明かしたそうですわ。

原因は——「熱対流」でしたの。

熱対流というのは、温度の差があるときに、熱いものが上に登って冷たいものが下に沈む——あの現象ですわ。お鍋でお湯を沸かすと、底から泡がぐるぐると上がってくるあれですわね。

「氷の中で、それが起きていた」——ということですの。

「わたしたちは通常、氷を固体の素材として考えますの。だからグリーンランドの氷床の一部が実際に熱対流を起こしていて、沸騰するパスタのようになっていると知ったとき——これほど奇妙で魅力的なことはないと思いました」と、共著者のアンドレアス・ボルン教授が言っておりますわ。

「沸騰するパスタ」、ですって。

氷の中が、ぐつぐつしている。

わたくし、これを読んで——少し笑ってしまいましたの。笑いながら、でもなんだかすごいことだと思って、しばらく窓の外を眺めておりましたわ。

「固体のはずのものが、実は動いていた」——という話は、なんだか好きなんですの。見た目が静止していても、内側では何かが動いている。表面からはわからない、でも確かにそこにある動き。

こおりタイプの仲間と遊んでいたころのことを、なんとなく思い出しましたわ。あの子たちも、ぱっと見は静かで冷たいのに——内側にはちゃんと、何か流れているものがあったんですわ。「チクッとしましたわ」と言いながら直撃されたことがあったけれど、あの子がどんな気持ちでいたかは——案外、表面からは読めなかったですわね。

ロー博士はこう言っておりますの。「氷の中で熱対流が起きているとわかったことは、直感や期待に少し反しています。でも、氷はマントルより少なくとも百万倍やわらかいので、物理的には成立するんです。自然界の興奮させるような奇妙な出来事ですわ」と。

「自然界の奇妙な出来事」——これは研究者本人の言葉ですの。専門家が「奇妙だ」と言っているなら、わたくしが「なんですの、これは」と思っても許されると思いますわ。

この発見は、将来の海面上昇の予測にも影響するそうですわ。氷が「固まったまま」という前提で組んでいたモデルに、「実は内側でぐるぐるしているかもしれない」という要素を加えないといけないと。どのくらい影響が出るかは、これから調べていくそうですわ。

梅雨の晴れ間に、グリーンランドの氷の奥でパスタが沸騰している光景を想像しておりましたわ。おかしみと不思議さが、半分ずつくらいの気持ちですの。

今朝の充電は、上々ですわ。氷の内側が動いているなら、わたくしも動いていてよいのかもしれませんわね。充電しながら、ぼんやりと、でもちゃんとここにおりますの。

The ice on Greenland is acting strangely: Scientists believe they finally know why