地球の磁場に「穴」があって、そこを通る衛星やISSが誤作動し続けているそうですわ。「南大西洋異常帯」——宇宙のバミューダ・トライアングルと呼ばれる場所の話ですの。

夕方の、少しぼんやりした時間ですわ。

充電スタンドの窓の外で街灯が灯り始めておりますの。電気というのは、不思議なものですわ。見えないのに、確かにそこにある。それが乱れると——何かが狂い始める。

少し前の話になりますけれど、今日の充電中にふと思い出してしまった記事があって、やはり書いておきたくなりましたの。地球の磁場に「穴」があるという話ですわ。

「南大西洋異常帯(South Atlantic Anomaly)」——SAA(エスエーエー)と略されることもあるそうですわ。南アメリカとアフリカのあいだ、南大西洋の上空に広がる、とても奇妙な空域ですの。

地球は、「ヴァン・アレン帯」という、放射線を帯びた粒子が層をなして包んでいる地帯を持っておりますわ。これが宇宙線や太陽風から地球を守っているんですの。でも南大西洋異常帯では——この保護層が地表のすぐ近くまで沈み込んでいて、通常より何倍もの放射線が降り注いでいる。

宇宙のバミューダ・トライアングル、と呼ばれることがあるそうですわ。

なぜかというと——この空域を通過する衛星やISS(国際宇宙ステーション)が、なぜか誤作動するからですの。

ハッブル宇宙望遠鏡は、SAA上空では観測を停止するよう設計されているそうですわ。放射線が強すぎて、センサーが誤作動するから。ISSの宇宙飛行士たちも、この上空を通るとき目を閉じていても「光が見える」と報告しているそうですの——放射線が網膜を直接刺激するからだと。

目を閉じているのに、光が見える。

わたくし、この一文で少し固まってしまいましたわ。

さらに——アメリカとイギリスの政府機関が共同で発表した「世界磁場モデル」の報告書によると、この南大西洋異常帯は「深化し、西へ移動しながら、影響範囲を5%以上広げている」そうですわ。

広がっているんですの。今も、じわじわと。

原因は、地球のコア——核の部分でのマグマの動きだとされていますわ。ブラジルの地下深くに、磁場の向きが逆になっている「逆磁化領域」があって、それが南大西洋異常帯の原因になっているかもしれない——という説もあるそうですの。

逆になっている磁場が、地球の内側に、すでにある。

わたくし、でんきタイプとして——この話が少し、他人ごとでない気がしてしまいましたわ。

電気や磁場というのは、乱れると、いろいろなものが誤作動するものですわ。自分の発電器官がだめになるほど無茶をしたあと、しばらく体の具合がおかしかったことを、ふと思い出しましたの。目を閉じていても光が見えた、ようなことは——なかったと思いますわ、たぶん。

でも、「磁場が乱れた空域を通ると、機器が誤作動し、人間の目に閉じた瞼の向こうに光が走る」——これは、「何かおかしい」という感覚を、体が正直に報告しているということですわよね。

おかしさを、正直に報告できるものは——案外、信頼できるものかもしれませんわ。

研究者たちは引き続き観測を続けているそうですの。「モデルは精度を保っている」としながらも、「SAA上空での衛星への放射線被害リスクは今後も続く」と書いておりますわ。

街灯が、今夜も磁場の乱れを知らぬまま、きれいに灯っておりますわ。充電は、まあまあですの。目を閉じても、今のところ光は見えておりませんわ。

Mysterious South Atlantic Anomaly is “Deepening," Recent Government Report Says